544-恋之猎人
矢野志摩子は、かつて自分が運転する車で事故を起し同乗していた夫、和彦を性不能者にしてしまい、毎日欲求不満の毎日を送っていた。ある日、志摩子は結婚前のプレイメイト祐介を久々に呼び出して、日頃の不満を発散させるべく官能の渦にのまれていくのだった。ところが、カーセックスの最中、行為も頂点の頃に、サイドブレーキがはずれ、車は坂をころがり落ちてしまった。志摩子はどうやら一命をとりとめたが、祐介はすでに息絶えていた。物陰から目撃していた、周一の姿があった。彼は以前から志摩子に目をつけていたのである。和彦は、社会的地位を考慮し、この事件をもみ消した。しかし、周一は、現場写真をネタに百万円を要求してきた。和彦はすぐにその要求に応じた。その代償として和彦は、志摩子に一生かかって償いをせよとせまった。もはや志摩子は和彦に何の未練もなかった。すっかり亀裂の入った和彦と志摩子の間にはすでに、夫婦生活は存在しない。志摩子は周一に誘われるままに久々に女の歓喜に酔いしれるのだった。